120rpm

ミル、キク、モノ、コト

サイボーグ009 - 公園の想い出 -

休みの楽しみに、学校や近所の団地で行われる“子ども映画会”があった。
劇場は、もっぱら東宝大映の特撮映画で、東映アニメは行かなかった。
だから自転車で遠出をしてまで、地元以外の“子ども映画会”に行ったものだ。
白蛇伝』『わんぱく王子の大蛇退治』『長靴をはいた猫』『空飛ぶ幽霊船』などなど・・・。

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サイボーグ009(1966)

東映長編アニメ9作目、009劇場版第1作。
初代TV版に先行し製作・公開されたもの。
009たちの誕生経緯から、ブラックゴースト団からの脱走、最後の対決を描いたもので、尺は1時間ちょっとと短いが小気味よいアクションとストーリー展開が今見ても十分楽しい。
キャラクターは漫画連載初期のものに近く、写実的ではない。それが、所々で挿入されるギャグとマッチしている。私の世代にとっての009は、このマンガチックなキャラかも・・・。

赤いマーフーラー、なーびーかーせてー ♪
カラーの009を見れるのは、この映画だけだったので、白のユニフォームに赤いマフラーは鮮烈だった。

夕暮れの団地の公園。
臨時に設置されたスクリーンにも夕陽があたり、ほんのりとオレンジに染まる。
上映を待ちきれない子どもたちは、“ごっこ”に熱中している。
周りには、屋台や出店が並び、“祭り”を盛り上げている。

陽が沈むと、妙な沈黙が続いた後、東映マークがスクリーンに映し出された。

遠くで、花火大会の音がする・・・屋台の臭い・・・009たちの戦いに比べれば、蚊に刺されることなんて何ともない。

上映が終わり、“夏休みも残りわずかです。水の事故等には十分気をつけて、お父さん、お母さんの言うことはよく聞いて・・・”などと放送が流れるが、興奮した子どもたちには、この夏休み、009たちに負けないほどの冒険が待っていた。

夕涼みがてらの屋外映画会。
最近の猛暑では、こんなイベントも滅入るばかりで行われていないのかなぁ。