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ミル、キク、モノ、コト

東宝特撮映画の世界 - 1960年代(ゴジラ映画 その2) -

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
1966年度作品
●監督:福田純
●製作:田中友幸
●脚本:関沢新一
●撮影:山田一夫
●特殊技術:富岡素敬/真野田陽一
特技監督円谷英二
●音楽:佐藤勝
●美術:北猛夫/井上泰幸
●編集:藤井良平
●録音:吉沢昭一
●出演:宝田明(吉村)/渡辺徹(良太)/伊吹徹(弥太)/当銀長太郎(市野)/砂塚秀夫(仁田)/水野久美(ダヨ)

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海の孤島を舞台にした、冒険活劇要素の濃い異色の怪獣映画。偶然に同じヨットに乗り合わせた4人の若者が遭難。漂着した南海の孤島は秘密結社「赤イ竹」の基地であった。怪獣エビラを使い、インファント島の人々を苦しめる「赤イ竹」を倒すことを決意する若者たちだったが…。快調なテンポ、随所に盛り込まれたギャグ。監督福田純ゴジラ映画に新たな魅力を打ち出した作品。水中・水上シーンでの戦いなど特撮面でも秀逸だ。


南海ものは嫌いじゃない。若大将ゴジラ。サービス満点のなんとなく愛想の良いゴジラ
エビラの造形(本当にただのザリガニだが)はディテールが細かい。ハサミだけがヌーッと現れるところは心底怖い。
都市破壊もなければ、モブシーンもないし、モスラは最後にカメオ出演するだけだし、小美人は美人じゃないけれど、水野久美のヨダは魅力的で、ストーリーは冒険活劇としてしっかりできていて十分楽しめる。

最後に“飛び込めゴジラ!!”と叫んだ子供時代を思い出しながら、たまに見るのも良いものだ。

 

怪獣島の決戦 ゴジラの息子
1967年度作品
●監督:福田純
●製作:田中友幸
●脚本:関沢新一/斯波一絵
●撮影:山田一夫
特技監督有川貞昌
●特技監修:円谷英二
●音楽:佐藤勝
●美術:北猛夫
●編集:藤井良平
●録音:渡会伸/伴利也
●照明:山口偉治/小島正七
●出演:久保明(真城伍郎)/高島忠夫(楠見博士)/前田美波里サエコ)/平田昭彦(藤崎)/土屋嘉男(古川)/佐原健二(森尾)

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来るべき食料危機に備え、気象をコントロールし島全体を凍結させようとゾルゲル島へ乗り込んだ科学者一行。しかし実験による異常気象により、カマキラス、クモンガという巨大怪獣を生んでしまう。さらに巨大な卵が出現。中からはゴジラの息子ミニラが誕生。そして、沖からはゴジラが現れた。

ゴジラの息子ミニラ初登場!モスラ以来の操演怪獣、カマキラス、クモンガと大激闘を繰り広げます。ストーリーの軸となるゴジラ親子の愛情の絆という画期的なもの。この作品からゴジラが牡か牝かという論争が起きるなど話題を集めた異色作!!


基本的にヒロインで評価や好みが決まってくる。
サエコ役の前田美波里のキュートなことといったらない。それだけで満足できる。“男の子 こんな赤いの着ない それとも君 女の子?”久保明との掛け合いをするくだりが良い。主役は間違いなく、土屋嘉男、イッてます。

操演の見事さは特筆すべきもので、伊福部昭とはまた違った軽快な佐藤勝の音楽が良く映像にマッチしている。

『南海の大決闘』のエビラのハサミ、今作のカマキラス、『サンダ対ガイラ』の海の中から見上げているガイラがトラウマだ・・・。

 

怪獣総進撃
1968年度作品
●監督:本多猪四郎
●製作:田中友幸
●脚本:馬淵薫本多猪四郎
●撮影:完倉泰一
特技監督有川貞昌
●特技監修:円谷英二
●音楽:伊福部昭
●美術:北猛夫
●編集:藤井良平
●録音:吉沢昭一
●照明:平野清久
●出演:久保明山辺克男)/田崎潤(吉田博士)/アンドリュー・ヒューズ (スチーブンソン博士)/小林夕岐子(真鍋杏子)/愛京子(キラアク星人)/土屋嘉男(大谷博士)

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怪獣たちが平和に暮す怪獣ランド。その怪獣のユートピアに、異変がおきた。キラアク星人の謀略に操られ、ラドンがモスクワに、ゴジラがニューヨークに、モスラが北京に出現。世界の主要都市は壊滅寸前に、はたしてこの危機を乗り越える事ができるのだろうか!?

怪獣大戦争』をさらにスケールアップしたこの作品では、バラン、バラゴンといった懐かしい顔ぶれを含め全11大怪獣が一挙に登場。世界の主要都市を荒し回るという設定はミニチュアワークの見せ所。また斬新なスタイルの宇宙ロケットSY-3、鉱物系宇宙人、そしてキングギドラと地球怪獣の一大決戦というように、怪獣映画のあらゆる要素と新しいアイディアがドッキングして見どころ満載。今なお高い人気を誇る究極の怪獣映画!

海底軍艦(ニュープリント改訂版)』および人形アニメ『海ひこ山ひこ』と共に上映された。72年冬の東宝チャンピオンまつりでは、『ゴジラ電撃大作戦』と改題されたニュープリント改訂版(74分)が『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』、アニメ『パンダ・コパンダ』と共に上映された。


ゴジラ』に始まった怪獣映画の総決算。監督・本多猪四郎、脚本・馬淵薫ゴジラ系では初の脚本)と路線変更している。
クール・ビューティー小林夕岐子、熱血久保明、ぞろぞろ出てくる怪獣たち、ムーンライトSY-3!
特撮に往時の緻密さを望むべくもないが、ゴジラがニューヨーク国連ビルに一発かますシーンはかなり気に入っている。序盤のパリ凱旋門でのゴロザウルスとバラゴンの間違いはご愛嬌。燃える怪獣活劇。

怪獣が多く出ることにとにかく興奮し、当時、雑誌「ぼくら」(だったと思うが確かではない)の付録で『怪獣総進撃』の特集があって、呪文のように、キングギドラアンギラスモスララドン・・・と暇さえあれば唱えては飽きもせずに眺めていた。それだけで楽しかった。
リバイバル時のタイトル『ゴジラ電撃大作戦』はずるい・・・新作だと思って観に行った・・・おこづかい、返せ

 

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
1969年度作品
●監督:本多猪四郎
●製作:田中友幸
●脚本:関沢新一
●撮影:富岡素敬
●特技監修:円谷英二
●音楽:宮内国郎
●美術:北猛夫
●編集:氷見正久
●録音:刀根紀雄
●照明:原文良
●出演:矢崎知紀(三木一郎)/佐原健二(三木健吉)/中真千子(三木タミ子)/天本英世(南信平)

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ひとりの夢見がちな少年の心の中に棲みついた怪獣たちと、現実の世界が呼応しながらドラマが展開するメルヘンタッチの異色作。現実の世界のいじめっ子ガバラが、夢の世界ではいじめっ子怪獣ガバラとなり登場。勉強に追われる一郎少年と同じようにミニラもゴジラにしごかれる。またミニラは完全に少年の友だちとして、人間の言葉をしゃべって少年と会話を交わす。怪獣を友達、仲間と考える子供の夢をそのまま映像化した作品。

第1回「東宝チャンピオンまつり」の一作として、『コント55号 宇宙大冒険』、アニメ『巨人の星 行け行け飛雄馬』と共に上映。


低予算、旧作からのデュープ、夢の中とはいえミニラがしゃべる(それも怪獣語とかではなく、しっかりした日本語で)、ゴジラは味方”という設定が後の路線を決定付けた(良し悪しは別としても)などから評価が分かれる作品。
しかしながら、子供の身の丈から見たあたたかな本多演出に、失われた昭和の町並みが相まって懐かしい。加えて、公害・鍵っ子など当時の社会問題を織り交ぜるなどゴジラ映画としてのアイデンティティを失っていない。

子供の頃買ったソノシートには、南信平(天本英世)がテレビを横にしていて、それを主人公の少年に問われると“寝ながら見られて便利だ”というシーンがあって記憶に残っていたが、見直してみるとそんなシーンはないのが不思議だった。記憶とはそういうものだ。