120rpm

ミル、キク、モノ、コト

東宝特撮映画の世界 - 1970年代(ゴジラ以外の怪獣映画) -

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣
1970年度作品
●監督:本多猪四郎
●製作:田中友幸田中文雄
●脚本:小川英
●撮影:完倉泰一
特技監督有川貞昌
●音楽:伊福部昭
●美術:北猛夫
●編集:氷見正久
●録音:増尾
●出演:久保明(工藤太郎)/高橋厚子(星野アヤ子)/土屋嘉男(宮恭一)/佐原健二(小畑誠)/斉藤宜丈(島の若者・リコ)/小林夕岐子(その恋人・サキ)

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い銀河の彼方からやってきた宇宙生物が地球の生物に乗り移った。カメラマン工藤太郎は、レジャー・ランド建設を計画中の南太平洋の孤島セルジオ島にやって来た。工藤と宮博士は海底探検中、巨大な触手をもつイカの怪獣ゲゾラに襲われるが、イルカの大群に救われる。やがてゲゾラが島に上陸するが、ガソリンに火をつけなんとか退けることができた。脱出を図る小畑の前に、カメの怪獣ガニメが出現。工藤たちは戦時中、日本軍が残した弾薬庫もろともガニメを爆破したものの、ガニメの体から動き出た宇宙生物が小畑の体内に侵入してしまう。ゲゾラがコウモリが飛び出すと逃げだした島民の話とイルカの大群に逃げだしたゲゾラのことから宮博士は、宇宙生物の弱点は超音波であると考え、洞窟にコウモリを探しに出かけた。だが、そこには第三の怪獣ガメーバがいた。さらにゲゾラも復活して、2匹はすさまじい格闘の後、噴火口へ落ちていった。そして小畑も体内の宇宙生物を道連れに自ら火口へ身を投げたのだった。

南海の孤島に登場した東宝の新型3怪獣。脚本は「野獣の復活」の小川英、監督は「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」の本多猪四郎特技監督は円谷門下の有川貞昌、撮影は「緯度0大作戦」の完倉泰一が担当。


ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)、死体役だがリバイバルで登場したものの、名前で突っ込みを入れられたガニメは、本作ポスターで見てもひどい目に遭わされているなあ。
公開時は、吉祥寺東宝で観た。 南海ものゴジラで都市破壊がなくてつまらないと思い、『怪獣総進撃』で興奮し、ゴジラ最高!と思っていた次が『オール怪獣大進撃』(今はけっこう好きなのだが、当時はそんな余裕あるわけがない)・・・で本作です。
慣れというのは恐ろしいもので、南海ものへの不満はなく、細かい造型が意外と気に入っていた。ただ、カマキラス、クモンガ並みのオリジナリティでちょっと地味。

残念ながら、この作品以降、オリジナル怪獣での東宝特撮映画は作られていない。

宇宙生物が寄生して”という設定は、ギョウチュウ検査を思い出す(好きだった女の子にギョウチュウがいたと知って仰天した)・・・失礼。