上を向いて歩こう
電車に乗ると8割方の人々が“電子の板っ切れ”ばかりを見つめている。
自分が通勤に使っているのは地下鉄で、騒音もひどいから耳にイヤホンをはめている。
聴いているのは、ロックだったりジャズだったり、クラシックの時もあるが落語も多い。
実家に埋もれていたDDウォークマン(最後に買ったカセットウォークマン)
若いころ、ウォークマンを聴いていると、強面の兄さんに“シャカシャカやってんじゃねえよ!”と凄まれたこともしばしば。当時はオープンエアの安いヘッドフォンが主流で遮音性なんてなかったしね。それでも、現実世界にシンクロする音楽は素晴らしくて、それが間違っていると分かってはいるけれど、世界の中心の主人公になった気分だった。
自分も電子の板っ切れ(スマートフォン)は使っている。
情報を得るためだったり、コミュニケーションの道具(このBLOGをアップする時に使っているしね)だったりするけど、下ばかり見ている人々に自分を含めてしまうことが嫌で意識的にカバンにしまっている。電車に乗る時や、ましてや歩きながらなんてあり得ない。
景気が良いなんて体感できなくなって久しい。良くなっているのかもよく分からない。
そんな中で、歩きながら板を見つめる?
現実は板の中で語られているほど悪くない。
些細なはずの心配ごとが気になって意識しないと下を向いてしまうんだから、板っ切れなんか見ないで、生意気なくらい顎を突き出して、上を向いて歩こう。
それくらいがちょうど良い。