120rpm

ミル、キク、モノ、コト

バンデットQ - 毒親への制裁 -

リー・ギリアムの三部作。テリー・ギリアム - Wikipedia

バンデットQ』(1981)少年

未来世紀ブラジル』(1985)青年

『バロン』(1989)壮年~老年

主人公の年齢は違えど、
「ぶざまなほど統制された(awkwardly ordered)人間社会の狂気と、手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求」がテーマだ。 

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バンデットQ(1981)

イギリスのとある住宅地。平凡な両親とくらしている11歳のケヴィン少年(クレイグ・ワーノック)の寝室に、突然、馬に乗った騎士が出現し、壁を通り過ぎて消えてしまった。両親にこのことを話すが、信用されない。翌日、懐中電灯とポラロイド・カメラをかかえて待っていると、六人の小人が現われた。彼らは創造主(ラルフ・リチャードソン)につかえていたが、タイムホールの場所を示した地図を盗み出し、この地図を手に時間空間を超越して出没し、盗みを働こうとしていたのだ。このタイムホールとは、創造主が六日間でこの世界を作った時に見逃がした場所なのだ。「地図を返せ」と迫ってくる創造主の顔。ランドール(デイヴィッド・ラパポート)、フィジット(ケニー・ベイカー)、ウォーリー(ジャック・パーヴィス)、オグ(マイク・エドモンズ)、ストラッター(マルコム・ディクソン)、ヴァーミン(ティニー・ロス)の六人とともにケヴィンも逃げ出した。彼らが最初についたのは、1796年のカステリオーニ。このイタリアの町を征服したナポレオン(イアン・ホルム)は、背が低く、そのことを気に病んでいた。小人とケヴィンは身長が低いので、気に入ったナポレオンは晩餐をともにする。ナポレオンが酔いつぶれると、彼らは財宝を集めて逃げ出す。次に現われたのは、シャーウッドの森。貴族のヴィンセント(マイケル・ペリン)とパンジーシェリー・デュヴァル)が盗賊に襲われていたが、六人は助けようともしない。彼らを暗黒の城で、悪魔(デイヴィッド・ワーナー)が見守り、地図を横取りしようと企んでいた。ケヴィン一人が、ギリシアの砂漠に出現。野獣の面をかぶった男と死闘をくりひろげていたアガメムノン王(ショーン・コネリー)を助け、ついには彼の養子になる。その祝いの宴に小人が現われ、ケヴィンを舞台に招き、彼をつれて消失、ついでタイタニック号の甲板に出現する。そこにいた新婚夫婦ヴィンセント(M・パリン)とパンジーシェリー・デュヴァル)を驚かす。タイタニック号が氷山に衝突し、彼らは海中に投げ出された。帆船にのりこんで難をのがれたのはいいが、その船を海坊主が頭にのせて歩き出したので大あわて。頭に眠り薬を注射して海坊主を眠らせて逃げ出す。やがて、彼らは悪魔の囁きに誘われて暗黒の城へ。悪魔に地図を奪われ、カウボーイや騎士やギリシャの射手の応援も効なく、彼らはやられっぱなし。そこへ創造主が出現し、悪魔を一撃のもとに破壊、小人をつれて消えてしまう。気がつくとケヴィンはベッドの中。しかも家は火事。消防隊のおかげで火は消えた。ケヴィンは隊員の一人(ショーン・コネリー)がアガメムノン王に似ているので驚く。彼はにやっと笑って去っていった。映画.com

 三部作の中で一番主人公に感情移入しやすい作品。振り回されるように、時代を彷徨っていくのだけれど、何かすごい解決があるわけでもなく逃げるばかり。

生きるってそれで良いんじゃない?
我慢してしがみついたってつまんない。きついなら逃げちゃえよ。

逃げた先でどうなるか心配で不安になるのは、何故?
君を食いものにしている奴らが、君を逃がさないための方便で言っていることを、君が真に受けて何も考えず信じてしまっているからかもしれないよ。

日本公開時は、毒親が爆死するラストシーンがカットされてしまったが、ディスクではオリジナルを観ることができる。

爽快だよ。

エンドロールで流れるジョージ・ハリスン「オ・ラ・イ・ナ・エ(Dream Away)」が“爽やカッコ良い”。

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