1984年
ディストピアが好きだ。
もちろん、架空のお話としてなら、だ。
ニュースピーク(新語法、Newspeak)
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』(1949年出版)に描かれた架空の言語。
作中の全体主義体制国家が実在の英語をもとにつくった新しい英語である。その目的は、国民の語彙や思考を制限し、党のイデオロギーに反する思想を考えられないようにして、支配を盤石なものにすることである。ニュースピーク - Wikipedia
『1984年』の中で、何より怖いのは、この言語統制だ。
言葉を知らなければ、考えることをしない(できない)からだ。
与えられた命題が誤っていると分かっていても、それを受け入れる思考を強いられる。
二重思考を身につけた者だけが生き延びる。それが「2足す2は5である」だったとしてもだ。二重思考 - Wikipedia
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1950年代に発生した核戦争を経て、1984年現在、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国によって分割統治されている。さらに、間にある紛争地域をめぐって絶えず戦争が繰り返されている。作品の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョン、さらには町なかに仕掛けられたマイクによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。 オセアニアに内属しているロンドンに住む主人公ウィンストン・スミスは、真理省の役人として日々歴史記録の改竄作業を行っていた。物心ついたころに見た旧体制やオセアニア成立当時の記憶は、記録が絶えず改竄されるため、存在したかどうかすら定かではない。スミスは、古道具屋で買ったノートに自分の考えを書いて整理するという、禁止された行為に手を染める。ある日の仕事中、抹殺されたはずの3人の人物が載った過去の新聞記事を偶然に見つけたことで、体制への疑いは確信へと変わる。「憎悪週間」の時間に遭遇した同僚の若い女性、ジューリアから手紙による告白を受け、出会いを重ねて愛し合うようになる。また、古い物の残るチャリントンという老人の店(ノートを買った古道具屋)を見つけ、隠れ家としてジューリアと共に過ごした。さらに、ウインストンが話をしたがっていた党内局の高級官僚の1人、オブライエンと出会い、現体制に疑問を持っていることを告白した。エマニュエル・ゴールドスタインが書いたとされる禁書をオブライエンより渡されて読み、体制の裏側を知るようになる。 ところが、こうした行為が思わぬ人物の密告から明るみに出て、ジューリアと一緒にウィンストンは思想警察に捕らえられ、愛情省で尋問と拷問を受けることになる。彼は、「愛情省」の101号室で自分の信念を徹底的に打ち砕かれ、党の思想を受け入れ、処刑(銃殺)される日を想いながら“心から”党を愛すようになるのであった。wikipedia
映画なら、2本ある。
1956年制作。パッケージはカラーだが、映画はモノクロ。抑揚のない淡々とした描き方に冷え冷えとした狂気が感じられる。『1984年』の物語を知るには過不足なく手っ取り早い。
1984年制作。
1956年版に比べて絵の力も数段上。ジュリア(スザンナ・ハミルトン)の病的なほど痩せこけた肢体とふさふさとした陰毛にディストピアのリアリティが痛々しい程に表現されている。
とやかく言うつもりはない。これは架空のお話なのだ。二重思考。