120rpm

ミル、キク、モノ、コト

消えた映画館 - 映画鑑賞券値上げ

宝、松竹を追うように、映画鑑賞料金が値上げになる。

109シネマズや新宿バルト9でも映画鑑賞料金が値上げ、一般1900円に - 映画ナタリー

国が補助金出してくれませんか?
映画にしろ、アニメにしろ、文化を守るのも国の役目だと思うのです。

携わる人間は薄給で食っていけないとか、なしにしましょう。そんなことで、衰退していく文化を見たくないです。

70年代~80年代前半、映画館は一日中いても構わなかった。ロードショーは高かったから、2番館、3番館によく入り浸っていた。
次回上映の予告編が成人映画だったりするのも、ご愛敬。
気に入った映画を一日に何度も観れたのは楽しかった。

東京都下で足を運んだ映画館。名前を見るだけでも懐かしい。特に三鷹の映画館は学校サボって通ったりもした。

武蔵野市】7館
吉祥寺東映吉祥寺本町1-11-19)、吉祥寺ムサシノ(吉祥寺本町1-11-23)、吉祥寺東宝吉祥寺本町1-32-1)、吉祥寺セントラル(吉祥寺南町2-3-16)、吉祥寺スカラ座吉祥寺南町2-3-16)、吉祥寺アカデミー(吉祥寺南町2-3-16)、吉祥寺松竹オデオン座(吉祥寺南町2-3-16)
三鷹市】2館
三鷹文化劇場(下連雀3-21-36)、三鷹オスカー(下連雀3-35-5)

もっと古い記憶だと福島県喜多方市の映画館。
喜多方市】2館
喜多方文化映画劇場、喜多方中央映画劇場 
参考:消えた映画館の記憶

三鷹と喜多方は全滅だ。町の映画館はことごとく潰れている印象がある。
吉祥寺の映画館も様変わりしているが、シネコンがあるからスクリーン数は増えているのかも。

今回の件で、映画離れ映画館離れともっともらしく語っている記事も多いけれど、はたして本当にそうなのか?

2007年比較で観客数110%。減っていない、むしろ増えている。制作本数も増加の一途で、映画界的には我が世の春に見えなくもない。
これの意味するところは、レンタル、ネット配信など、映画をスクリーン以外で鑑賞する方法が増えていても、映画館で映画を観る観客数は減少どころか増えているという事実だ。映画館離れなどしていないのではないか?

人口からはじき出した映画館での年間鑑賞本数は、

日本:1.4本
インド:1.5本
中国:1.2本
アメリカ:3.8本
韓国:4.3本

観る本数はかなり少ない。中国やインドと同レベルだ。“日本人は映画を観たくない”な訳はないので、機会損失していると考えるべきだろう。

シネコンばかりで町の映画館がなくなって、気軽に出かける先ではなくなった。
そればかりか、スクリーンの数が少なすぎる。

スクリーン数
アメリカ:40,174(1:8144名)
日本:3,437( 1:36,892名)

映画館(スクリーン)は、アメリカでは人口8,000人に対して1館(スクリーン)だが、日本は36,500人で1館(スクリーン)。

しかもチケットが高い。気軽になんて言えないレベルかも知れない。

アメリカ:936円
中国:634円
日本:1,303円

おかげで、1スクリーン当たりの興行収入は6,317万円。ヨーロッパ諸国の約3倍。なのに、ヨーロッパでは町の映画館が存続しているが、日本では映画館が消えていく。

ヨーロッパの映画に対するリスペクトが半端ないのか・・・成熟した文化の表れなのか・・・。

制作、興行とアニメ業界も同じジレンマがあると思う。
オタにおんぶにだっこ、円盤とグッズをお願いするとか寒すぎる。

クールジャパンとか言ってたよね。口を出さずに金を出せ!

Japan Community Cinema Center | 一般社団法人コミュニティシネマセンター
映画館での上映 - 諸外国との比較(PDF)