120rpm

ミル、キク、モノ、コト

ペット・セメタリ― - 埋葬は火葬に限る -

ない映画。

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ペット・セメタリー(1989)

メイン州の田舎町に家を購入した若い医者のルイス・クリードは、妻のレーチェルと幼い娘のアイリーン、生後間もない息子のゲージ、アイリーンの愛猫チャーチルという家族を持つ、典型的な「幸せな一家」である。庭には細道があり、その昔、町の子供たちが造ったペット霊園がある裏山に続いている。隣家にはジャド・クランドルとその妻という老夫婦が住んでいる。

レーチェルが子供たちを連れて実家に帰省していたある日、猫のチャーチルが車に轢かれて死んでしまう。まだ身近な「死」を受け入れたことのない幼い娘にどうやって説明するか悩むルイスは、詳しい事情を聞かないままジャドに連れられて、チャーチルの死体を裏山からさらに奥に分け入った丘に埋める。すると次の日、死んだはずのチャーチルが家に帰ってきた。だが、帰ってきたチャーチルは腐臭を発しヒョコヒョコ歩く、全く別な“何か”のようだった。

釈然としないまま過ごしていたある日、今度は最愛の息子ゲージがチャーチルと同じように轢死してしまう。悲嘆にくれるルイスに、ジャドはチャーチルを埋めた場所にまつわる忌まわしい事実を語り、「あの場所に二度と近づくな」と釘を刺す。しかし、亡くなった息子への愛が、ルイスに決して超えてはいけない一線を超えさせてしまう。wiwipedia

そもそも、何故、死んだ猫をそんなに親しくもない隣人の勧めで、理由も聞かずに“腐った土地”に埋めたのか。
描き込みが不十分で、違和感が強かったりもするのだが、その後の展開で、初手の疑問などどこかに飛んでしまう。

ボタンを掛け違えている。

そう言ってしまうのは簡単だが、愛する者が突然の死を迎え、その悲しみに打ちひしがれている最中、甦らせる方法を知ったなら、どうする・・・。

祖母の埋葬は土葬だった。
当時はまだ子どもだったから、棺を担ぐことはなかった。丘の上の墓地まで緩やかな直線的な道が続く。そこをゆっくりと運ばれていく棺をぼんやりと眺めていた。

甦った後二度目の死を迎える息子が言う。

「ずるいよパパ」

主人公の愚かさ、弱さを指摘するのは簡単だ。
そう、ボタンを掛け違えたんだ。でも、それを馬鹿にしたり呆れたりする気にはならない。

後味の悪さは否めないが、切なく泣けてしまうエゴイスティックな家族愛の物語。

blu-ray化がされず、海外版を買ったりもしたが、今回、何をとち狂ったか4K UHDでの発売(笑)。いやいや、そこまではっきりくっきり見たい映像ではないんだが・・・。