脚を内股にし、頭を曲げるという振り付け - 自作自演 - ストラヴィンスキー、ラフマニノフ
解釈は自由だが、本人の演奏を基準にするのもありだと思う。
語弊を覚悟で言えば、当事者の演奏、次いで同郷の演奏と、根底の部分で通じ合う演奏をまずは楽しみたい。
ウィンナ・ワルツはウィーンっ子でなければとか、バルトークの演奏はコチシュやショルティだよね・・・などなど、とても危険な考えでもあるけれど、取っ掛かりとしては全然ありだ。
録音が古く聴きづらいが、突き抜けるような立ちの良い音はラフマニノフの特徴ではないだろうか?
協奏曲3番などは、ロマンティックではない高速演奏のラフマニノフ。
ひたすら甘ったるい演奏が多すぎて敬遠している協奏曲3番が、本人の演奏だと面白すぎて何度も聴きたくなる。
春の祭典
荒々しい響きとは裏腹に精緻なスコアを、ストラヴィンスキーの指揮は肩透かしを食わすようなさっぱり具合でこなしていく、それが何ともキュートで新鮮だ。
Stravinsky & the Ballets Russes / [Blu-ray] [Import]
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自作自演からは離れるが、バレー音楽なので映像版のお気に入りを・・・。
フォーキン振付「火の鳥」、ニジンスキー振付「春の祭典」、共に初演時の振付なのが見どころ。
特に「春の祭典」はベジャール版がセンセーショナルで有名なんだろうが、違和感と異様さで“音楽だけでなく、振付もイってるから初演時の騒動もさもありなん”と感じさせるニジンスキー版に軍配が上がる。
ニジンスキーはこの曲で、19世紀のクラシック・バレエでは考えられなかった、脚を内股にし、頭を曲げるという振り付けを行った。初演時の騒乱は有名であるが、これは、まさに20世紀バレエの幕開けであった。