ヘルハウス - チビ太なら良かったのにねぇ -
雨が降っても、後で濡れるし、サイフは先に拾えるし、チビは便利だ。ネタバレだったかも
そう思えなかったベラスコの悲劇(悲劇なのはベラスコ邸、通称ヘルハウスを訪れた人々なんだが)。
ヘルハウス(1974)
著名な物理学者のバレットは、ルドルフ・ドイッチという億万長者の依頼で、心霊現象が起きるという噂がある古い大邸宅ベラスコ・マンションにまつわる謎を調べることになった。 バレットは妻のアン、霊感のある若い娘フローレンス、20年前にこの邸の調査に参加してただ一人生き残った霊媒師フィッシャーと共に調査を始める。 この邸は1919年にエメリック・ベラスコという富豪が建てたもので、彼はありとあらゆる悪業を重ねた末、ある夜のパーティーを最後に行方不明となり、パーティに出席した27名の親類縁者たちの惨殺死体が残されていたという。 バレットはあらゆる物理的力をはね返す電磁気装置“リバーサー”を邸内に設置して調査を始めるが、やがて奇怪な現象が彼らを襲う。Wikipedia
公開当時、オカルトブームで、『エクソシスト』に続けとばかりに続々と公開された一本。
「金曜スペシャル」 でもエロ控えめにギリギリ子どもでも見られる映画情報を流していた。
『ローズマリーの赤ちゃん』『エクソシスト』『ヘルハウス』『悪魔のはらわた』『地獄の貴婦人』『悪魔のシスター』『悪魔のいけにえ』・・・もう、勘弁してと思いつつ画面に釘付けになった。
『ヘルハウス』は『エクソシスト』以上に心霊現象を具象して見せてくれた傑作。
テーブルがジャンピングして、皿が飛ぶ、シャンデリアが落ちる。
お膳立てへのこだわりはワクワクさせる。“お城”の調度品も実に王道のハマーフィルム的ゴシックホラーテイスト。
その中で、霊能者2名、物理学者夫婦がそれぞれに疑心暗鬼になりながら、物語は進んでいく。
中盤まで、ヒステリックで狂信的な女霊能者・フローレンス(パメラ・フランクリン)に耐えられるかどうか・・・正直きつい・・・。
そこから、女性陣の崩壊具合い(霊的に操られているのだが)がまた怖い。
そんな彼女たちにも冷静に対処する霊能者・フィッシャー(ロディ・マクドウォール)のラストシーンの爆発的演技が見もの。
霊能者・フィッシャーとバレットの妻・アンが手を取り合っているのが淫靡で見てはいけないものに思えた。危なっかしい緊張感がこの映画の魅力。
右が以前我慢できずに買ったBlu-ray海外盤、左が今回やっと発売されたBlu-ray国内盤