実写化といえないほどのレベルだが愛すべき映画
元ネタを出しにして、独自(というか勝手なというか)の世界観を展開したが為に、不当な低評価を受けてしまった作品たち。
アニメに比べて実写化はかなり厳しいのかも。
アニメなら上手くいった例として、『ルパン三世 カリオストロの城』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『攻殻機動隊』などなど好みを考慮しなければ他にもバンバン上がってくると思う。
実写化は?
キューティーハニーの実写化はどれも大好きだが、概ね評判が悪い。ハニー役の役者がイメージに合わないとか、原作の世界観が云々とか。
永井豪の作品でいうと、『デビルマン』が最悪なことは認めます(-_-;)。近作の『デビルマン crybaby』(実写ではなくアニメ化です)でファンのフラストレーションが何とか和らいだかなと思います。
原作のファンが熱狂的であればあるほど、映像化(特に実写化)は批判の的になるのでしょう。
えー!それはないよ!と罵声を浴びせながらも、何故か気に入って繰り返し観ている映画が2本あります。
シャカリキ!(2008)
曽田正人の自転車ロードレースをテーマにした人気コミックの映画化。監督は今村昌平、北野武らの助監督を努めてきた大野伸之。メインキャストに若手俳優集団D-BOYSの遠藤雄弥、中村優一、鈴木裕樹ら。自転車バカの高校生テルは廃部寸前の自転車部に入部するが、チームプレーを無視してレースで失格となり、部を廃部に追い込んでしまう。それでもレースを諦めないテルに、部員たちも心を動かされ、チームは再び強豪ライバルへ挑む。映画.com
自転車漫画の金字塔『シャカリキ!』の実写化。
どこが?というくらい設定を大きく改変し、寒すぎるギャグをぶっこみ、スピード感に欠けるレースシーン。どこをとっても残念な映画なのですが・・・あり得ないレース展開にナイナイ!と突っ込みを入れながらも、“テル!シャカリキにならんかーい!”と叫ぶ南沢奈央のうわずった気合の入らないへなちょこ具合がグッとくるのです。
『シャカリキ!』ではなくなっているけれど、愛すべきB級青春映画ではあるのです。
僕は友達が少ない(2014)
友だち作りを目的とした部活動「隣人部」という設定や強烈なキャラクターたちが人気を呼び、アニメ化やコミック化もされた平坂読によるベストセラーライトノベル「僕は友達が少ない」(通称「はがない」)を、オリジナルストーリーで実写映画化。聖クロニカ学園に通う高校2年生の羽瀬川小鷹は、金髪でハーフ、目つきが悪いといった外見からいじめられることもあり、いつもひとりで過ごしていた。ある日、同じく友だちがいないという風変わりな美少女・三日月夜空と知り合った小鷹は、「手っ取り早く友だちを作りたい」という夜空が立ち上げた、友だち作りのための部活動「隣人部」に強引に入部させられる。自分の世界を強固に持つゆえに孤立している個性的な生徒たちが加わり、隣人部は活気づいていくが、かねてから小鷹たちを快く思っていない生徒会長・西園寺の横暴により、廃部に追い込まれてしまい……。瀬戸康史が金髪に染め上げて小鷹を演じ、そんな小鷹を振り回す夜空には北乃きいが扮した。映画.com
ベストセラーのラノベ及びアニメの実写化。
これはね、登場人物たちへの愛がないとついていけない。ラノベにしろアニメにしろ、気に入ったイメージがあるなら、画面を見ながらそのイメージに上書きできるだけの強力なイメージ喚起力が試されているのだ。
一人一人を見ると、可愛かったりカッコ良かったりするのだが、どうすれば、ここまでミスキャストできるのか、事務所の力関係なのか・・・大人の世界は怖い・・・と思わせるほど、酷い。
だが、そんなのは慣れだ。見慣れてしまうのに時間はそれほどかからない。学園祭の催しものぐらいに思って観ていると、このたどたどしさが癖になる。学園ものだが、途中から相当脱線気味だ。原作はどこかに吹っ飛んでいるが、友達がいない孤独感はそれなりに上手く描いていると思う。
こういった作品をあっさり受け入れるなんて、ああ、大人だなあ~!